新中3 保護者向け
春休みを逃した新中3、
4月からでも都立高校受験は間に合うのか
「周りはもう塾に通っている」「春休みを無駄にしてしまった」――そう感じている保護者の方へ。冷静な現状分析と、4月からの具体ステップをお伝えします。
執筆:英才個別学院 本部 栫(かこい)2026年4月更新
コラム2026.04.21
「春休みに塾に通えなかった」という罪悪感から、焦りを感じていらっしゃるかもしれません。しかし、入試までの残り時間を冷静に数えると、まだ十分な猶予があります。
東京都教育委員会が公表している2026年度(令和8年度)の都立高校入試日程は次のとおりです。
| 区分 | 実施日 | 発表日 |
|---|---|---|
| 推薦入試 | 2027年1月26日(火)・27日(水) | 2026年2月2日(火) |
| 一般入試(学力検査) | 2027年2月21日(日) | 2027年3月2日(火) |
| 二次募集 | 2027年3月10日(水) | 2027年3月13日(土) |
4月下旬から数えて、一般入試本番まで約10か月。夏休み、秋の模試、冬の直前期をすべて活用できる期間が残されています。
民間の塾選びサイト「塾選」が行った調査では、中3から通塾を始めた生徒のうち、最も多い入塾時期は中3の4月でした。つまり「新中3の4月に塾を検討し始める」のは、決して出遅れではなく、むしろ最も標準的なタイミングです。
都立高校の一般入試は、学力検査700点と調査書点300点、スピーキングテスト(ESAT-J)20点の合計1,020点満点で判定されます。このうち調査書点は、中3の2学期(11月末〜12月)の成績がほぼすべて。中1・中2の成績は、都立一般入試では直接使われません。
つまり、4月からの授業態度・提出物・定期テスト対策が、そのまま2学期の内申に積み上がります。今からの行動が、そのまま入試本番の300点に直結する――これが、4月スタートが合理的と言える最大の理由です。
「今から始めて何をやるべきか」を、月ごとの目安に落とし込みました。これは多くの進学塾で採用されている、標準的な年間カリキュラムの流れです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 4〜6月 | 中1・中2の総復習(特に英語・数学の基礎)/1学期中間・期末で内申を確保 |
| 7〜8月 | 夏期講習で弱点補強/部活引退後は学習時間を平日2〜3時間に/V模擬・Wもぎを受験 |
| 9〜10月 | 中3範囲の応用問題に着手/志望校を仮決定/2学期中間で内申確保 |
| 11〜12月 | 2学期期末で内申確定/三者面談で併願校を決定/過去問演習スタート |
| 1〜2月 | 推薦入試(1/26-27)/一般入試直前対策/過去問の年度を増やす |
都立高校入試で調査書点を計算する際、実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定は2倍で加算されます。主要5教科の5段階評定をそのまま足し、実技4教科の合計を2倍にして、満点は65点。これを300点満点に換算する仕組みです。
atama+が中3生向けに集計したデータでは、1学期の平日学習時間の中央値は1〜2時間、夏休みで2〜3時間、2学期以降は2〜3時間が標準です。上位校を狙う生徒は夏休みに3〜4時間、直前期に5〜8時間まで増やしていきます。
4月の時点では、まず平日1時間の学習習慣を作ることを最優先に考えてください。一気に3時間やろうとして三日坊主になるより、毎日1時間を8か月続けるほうが、結果的に学力は積み上がります。
サッカー部や吹奏楽部など、週4回以上の練習がある部活動をしている生徒の場合、「通塾の時間を確保できるのか」は大きな不安材料です。結論を先にお伝えすると、週1〜2回の個別指導であれば、部活を続けながらでも十分に両立できます。
中3の部活引退は、多くの運動部で6月〜7月の最終大会まで。吹奏楽部などは夏のコンクールまで続くケースもあります。この引退までの期間は、「受験勉強に全力投球できない時期」ではなく、学習リズムを作る準備期間として位置づけるのが現実的です。
集団塾の場合、欠席した授業の振替ができず、部活の大会や練習試合と重なると「置いていかれる」状態になりがちです。一方、個別指導塾は振替制度があり、生徒一人ひとりのペースに合わせて進められるため、部活動の予定変更にも柔軟に対応できます。
また、学習の抜け漏れを個別に確認できるため、「中2の一次関数からやり直したい」「英語の時制だけ集中的に」といった、その子に必要な単元だけを重点的に進められます。部活で時間が限られているからこそ、時間対効果の高い個別指導が選ばれる傾向にあります。
塾選びで最も気になるのが費用です。月謝だけでなく、季節講習・模試・教材費を含めた年間総額で把握することが、家計判断の出発点になります。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によれば、公立中3の学習塾費(支出者平均)は年間約34〜35万円。月あたり約3万円が、公立中学生の塾費用の中央的な水準です。
首都圏の中3向け個別指導塾の月謝相場は、通塾頻度で以下のように変わります。
| 通塾頻度 | 月謝の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 週1回 | 1.5〜2万円 | 苦手教科だけを補強したい/部活との両立重視 |
| 週2回 | 3〜4万円 | 英語・数学を中心に受験対策を進めたい |
| 週3回 | 4.5〜6万円 | 主要5教科を塾主導で進めたい/志望校との差が大きい |
これに加えて、夏期講習(5〜15万円)、冬期講習(3〜8万円)、模試代(年数回)、教材費が発生します。年間総額は、月謝表示の1.3〜1.5倍程度を見積もっておくのが現実的です。
「家計的に月4万円が上限」という制約がある場合、次の3つの判断軸で塾を選ぶと、無理のない範囲に収まります。
ここまで制度とスケジュールの話をしてきましたが、受験生活を実際に動かすのは、本人のやる気です。そして多くの保護者の方が悩むのが、「親が先走っても意味がない」「本人が嫌がったら続かない」というジレンマです。
ベネッセ教育総合研究所の調査によれば、中3で「勉強しなさい」と言われている子の勉強時間は、言われていない子より1日約25分短いという結果が出ています。小学5年生では3.6分の差ですが、学年が上がるほど逆効果が強まります。
心理学では、「自由を制限された」と感じたときに反発する心の働きを「心理的リアクタンス」と呼びます。思春期の中学3年生は、この反応が最も強く出る時期。つまり「勉強しなさい」は、良かれと思って使うほど、成果から遠ざかる言葉になりやすいのです。
同調査では、母親が子どもと将来や進路について話す家庭ほど、子の学習時間が長いことも分かっています。具体的には、次の3つの問いかけが、本人の自発性を引き出しやすいとされています。
無料体験授業は、塾側の営業のためだけの制度ではありません。「本人に選ばせる」ための機会として使うと、最も効果を発揮します。
英才個別学院では、体験授業後に無理な勧誘は一切行っていません。1〜2校舎を実際に体験してみて、本人が「ここなら続けられそう」と感じた場所を選ぶ、という使い方をしていただいて問題ありません。比較材料として他塾と並べて検討いただくのが、最も失敗の少ない選び方です。