2024都立高校入試分析・解説 英語

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2024都立高校入試分析・解説 英語

2024.03.02 | 受験

2024都立高校入試分析・解説 英語

2024都立高校入試分析・解説 英語
2024年度都立高校入試問題分析・解説

英語





問題・正答表は、東京都教育委員会のHPからご確認頂けます。

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/release20240221_09.html

・大問1:リスニング 5問×4点(内1問記述問題)

出題形式は例年通り。記号4題・記述1題。

〔問題A〕
〈対話文1〉
質問は「How many dogs does Tom have?」
話者は2人だが登場する人物名はTom, Satomi, Rinaの3人となり、それぞれの飼い犬の数が会話内で登場したので、質問文の主語を正確に聞き取ることができたかどうか、という点が重要になったと考える。だが、それほど正答率の下がるような問題ではないだろう。

〈対話文2〉
質問は「What will John and Mary buy at the supermarket?」
会話内で、何を買いに行くかということは明確に1つ示されていましたので、回答しやすい問題であったのではないだろうか。

〈対話文3〉
質問は「When will Jane and Bob meet at Momiji Station?」
会話内で待ち合わせの時間を決めてゆくという流れだが、最初に提案した時間と最終的に決定した時間(Janeの5番目の発言)が異なっているので、慎重に聞き分ける必要があった

〔問題B〕
〈Question1〉
質問は「How old is the new rabbit?」
冒頭でしっかりと説明がされていたので、聞き取りミスがなければ間違うことなく回答できただろう。
かなり序盤で新しいうさぎについての紹介があったので、そこから後ろの内容に気を取られて迷った人もいたかもしれないが、英文の繰り返しを上手く活用し答えに辿り着けたのではないだろうか。

〈Question2〉
質問は「What does the zoo want people to do for the new rabbit?」
こちらはリスニング内唯一の記述問題。聞き取った内容を正確に表記することが求められる。
毎年、多くの受験生が苦戦する問題でもある。
答えは分かっているが、どう書けばよいのか、と悩む人も少なくないだろう。
今回は文章中の「We want you to give it a name.」と部分を聞き取り、質問文と〈want +人+to +V〉の形が同様であることを踏まえ、不定詞以下の内容が答えになるということに気が付けた人は正解に辿り着くことができたのではないだろうか。

〈大問1まとめ〉
難易度は例年並み。特段難しい英文は〔問題A〕〔問題B〕共になかったと感じる。
記号4題分に関しては、どの受験生にも正しく聞き取り正解に辿り着いていてほしいところではある。

・大問2:図表を使った読解 3問×4点
              自由英作文 12点


〔1〕空港から家に帰るまでの経路と昼食の予定について。
今回は図と表が1つずつ資料として載せられた。
目的地までの乗り物の所要時間を参考にして解いてゆく問題は2019年度以来5年ぶりの出題であった。
(A)の穴埋めは、本文中の空欄(A)直後の一文「It’s longer trip,~」から、100分かかる「Icho Station」が選択できただろう。
(B)の穴埋めは、冒頭で両親が到着するのは「ターミナルB」と明らかにしていたことから、「Ramen Restaurant B」が選択できただろう。
冒頭部分まで振り返り答えを探す必要はあったものの、そこだけしっかり確認ができていれば特に迷うことはなかったのではないだろうか。

〔2〕歌舞伎が見られる劇場への行き方について。
今回は地図が資料として載せられた。
地図を参考に目的地までの行き方について話し、建物の位置(右・左)を答える問題が2014年度以来10年ぶりに出題された。(近年はⅤ模擬でも出題がなかった)
ここで予想外に時間を取られる受験生が少なからずいたのではないかと考える。
(A)の穴埋めは、本文中の空欄(A)の直前・直後の内容から左手に出てくるのが「Ayame Flower Shop」が答えになると分かる。
(B)の穴埋めは、本文中の空欄(B)を含む一文の時点での立ち位置を正確に把握する必要がある。
空欄直前の文の通り、「Kaede Street」を進むと「Somomo Fruit Store」は右手に出てくるので「right」が答えになると分かる。
空欄(A)を考えた時とは場所が変わっていることから、(B)を考え始めた時に迷子になった受験生が少なくなかったのではないだろうか。
この問題は目的地が決まっているので、そこに辿り着くには地図上のどの道を進むべきかをある程度考えた上で、本文中に出てくる要所要所の目印となる建物名を参考に正確なルートに沿っていくことが一つポイントとなるだろう。
大問2で失点がないように、と考えている受験生は、慎重になりここで思いのほか時間を取られたのではないだろうか。

〔3〕本文内容一致の問題
本文Eメール内の8文目の内容と、選択肢エが一致。
ア、イ、ウ、も一見正解に見える部分もあるが、場所や時を表す語が本文内容とは変えられていたり、本文内容とは異なる表記があるため答えとはならない。

【自由英作文】
例年通り、Eメールの内容を完成させるという形式で出題された。
今回のテーマは「I’ll tell you about a thing that moved my heart recently.」であった。
「recently」の意味が分からず戸惑った受験生もいたかもしれないが、その手前までが理解できていればひとまず書くことはできたのではないだろうか。
英作文を書く際の条件として

・3つの英文で書く
・前後の文につながるように書き、全体としてまとまりのある内容にする
・伝えたい内容を一つ取り上げ、それを取り上げた理由を書く

が挙げられた。

※3文で書くという条件のため、1文しか書かれていなかった場合8点減点。2文の場合4点減点となる。また、大文字・小文字、綴り、文法、符号の間違えは1か所につき1点減点となる。

1文、2文、3文、いずれにしても、文法や綴りの間違えが多くなればなるほど減点されていく方式であるため、いかに間違えなく英文を書くか、という点が重要となる。
自分が本来書きたい内容が英語で思いつかない、使いたい単語の綴りが分からない、といった状況に置かれたとき、内容を変える、使う単語を変えるなど、臨機応変に対応できた受験生は点数を稼ぐことができたであろう。
70点以上を目指す受験生には、3文正確に書ききってほしいところではある。

〈大問2まとめ〉
扱われた英文の難易度は例年並みであったが、〔1〕〔2〕に関しては久しぶりの形式の問題であったため、多少なりとも戸惑い普段より時間を要した受験生もいたと感じる。
ただ、受験というものに「想定外」という事態はつきものである。いかに冷静に考え、答えを精査できたかが重要なポイントとなっただろう。

・大問3:会話文読解 7問×4点

出題形式は例年通り。記号7題。

〔問1〕下線部の発言の内容を問う問題
例年頻出される下線部内【that】の指す内容理解を問う問題。
直前のMakiの最初の発言から、選択肢アが答えになることが分かる。
イも一見正解に見えるが、最後の「once a month」が本文内容と異なるため答えとはならない。その部分を見落として、イを選んだ受験生がいた可能性は多いにある。

〔問2〕下線部の内容理解を問題
直前のEmmaの3番目の発言中2文目から、選択肢ウが答えとなることが分かる。
1文目を読み、イを答えとする受験生もいたかもしれないが、下線部内の文意が理解できていれば2文目に目を向けられてだろう。

〔問3〕下線部の発言の理由を問う問題
例年頻出される下線部内【that】の指す内容理解を問う問題。
直前のEmmaの7番目の発言から、選択肢イが答えとなることが分かる。
ここでは直前の発言が1文しかないため、即座に答えを決めることができたであろう。

〔問4〕下線部の内容を使った空欄補充の問題
ここは少し慎重に答えを探してほしい問題であった。問3までの問題は、下線部直前の内容が答えに繋がってきていたが、今回は下線部より後ろが解答の根拠となった。
下線部「They gave me good advice.」に対して、「What did they say?」「What was their advice?」と2つの質問が後ろに続いている。その質問を経たRyotaの8番目の発言の1文目から、選択肢イが答えになることが分かる。
本文中の会話文と選択肢内の文の【動詞】に注目して答えを探す必要があっただろう。そして、「advice」が何であったかを問われているので、「What did they say?」に対する返事ではなく「What was their advice?」の方に対する返事を答えの根拠とするべきである。
下線部の前だけを見るのではなく、後ろまでよく確認できたかどうかが点数を左右するポイントとなっただろう。

〔問5〕下線部の発言の内容を問う問題
例年頻出される下線部内【that】の指す内容理解を問う問題。
直前のHiroの10番目の発言から、選択肢エが答えになることが分かる。
選択肢ア、イ、ウ、エ、それぞれ主語・動詞が異なるため、そこも一つ答えを決めるポイントとなっただろう。

〔問6〕空欄補充の問題
1語の空欄補充問題が2021年度以来3年ぶりに出題された。
空欄を含む文の主語を確認した上で、Hiroの発言を順を追って見ていく必要があった。
本文中に全く同じ文はないが、Hiroの8番目の発言から選択肢ア「different」が答えになることが分かる。
空欄の前後と本文では、使われている語は違うが文意を踏まえて考えてゆけば正解に辿り着けたはずだ。
選択肢に挙げられた単語は、いずれも中学3年生であれば目にする機会は多かったであろうものが並んだため、比較的考えやすかったのではないかと感じる。

〔問7〕本文内容を踏まえた空欄補充の問題
本文を踏まえ、登場人物の日記の一部の空欄(A)と(B)を埋めてゆく問題。今回は、(A)(B)それぞれ2回ずつ出てきているため、前半後半どちらか自分にとって分かりやすい方で答えを探してゆくことができたのではないだろうか。
(A)の穴埋めは、答えは【help】となるが、実はこの単語は本文中では出てきていない。本文中で出てきている言葉が必ずしも答えになるわけではなく、あくまでも内容が一致しているかを考えてゆくことが最重要となる。
本文中Makiの2番目の発言から、「普段図書館に来ない生徒のアイディア」によって多くの生徒が図書館に来るようになった、ということが読み取れる。要するに、「普段図書館に来ない生徒が彼女(Maki)を助けた」ということになるため、空欄(A)には「help」が適切な答えとなることが分かる。
ちなみに、もう1つの選択肢【learned from】はこの2番目の発言内で出てきているが、文の主語とfrom直後の名詞が異なるため答えとはならない。
(B)の穴埋めは、答えは【before】となる。
(A)と違い本文中に出てきている単語であるため、こちらの方が先に答えが決まった可能性もあるが、よく見ると少々厄介な問題でもあった。
1か所目の空欄前後内容に該当する範囲、本文中Ryotaの6番目の発言から即座に【before】と答えを出してもおかしくないだろう。しかし2か所目まで見ていくと、空欄前後内容に該当する範囲、Hiroの9番目の発言を見ると「But I want to understand~. After that, I will try~」となっている。ここで【before】【after】どちらが答えになるか悩んだ可能性も出てくる。(1か所目が分かりやすいためそちらで決めた受験生が多かったとは思うが・・・)
本文内容「それについての生徒たちの気持ちを知りたい。その後で、何か新しいことを試してみる。」が空欄(B)を含む1文では「彼は何か新しいことを試す前に、生徒たちの気持ちが知りたかった。」と変化しているため、答えは【before】で決まりとなる。
(A)(B)どちらも、ほぼ同じ意味で言い換える力が必要とされた。

〈大問3まとめ〉
問題難易度は大方例年並みではあるが、本文の脚注が極端に少なかった、という点が印象的。
たしかに、特段、注を必要とするほど難易度の高い単語が羅列されている内容ではなかったが、shelves や Broadcasting など、普段あまり目にして来なかったであろう単語が注なしで挿入されていたところを見ると、内容理解にやや時間を要した受験生もいたのではないだろうか
ただ、これらの単語が分からずとも、会話の流れ、周辺の文意を理解できていれば答えを選ぶ際にはそれほど影響はなかったとも言える
例年通り下線部内【that】の指す内容理解を問う問題も変わらず出題された。いずれも直前の発言内容が答えに結び付くようにできていたため、日頃から答えを導く手順を意識していた受験生はすぐに回答できたのではないだろうか

・大問4:長文読解  7問×4点(内1問完答問題)

出題形式は例年通り。記号7題。※問2の並び替えは完答問題。途中点なし。

〔問1〕下線部の発言の内容を問う問題(下線部内【that】の指す内容理解を問う問題。)
下線部内のthatが指す内容は、直前の第1段落7文目となるため、選択肢エが答えとなる。
本文と選択肢の文では主語が変わっていたが、Yumiに向かっての発言であること、thatの指す内容が当てはまるということが理解できていれば、特段悩むことなく答えに辿り着けたのではないだろうか。

〔問2〕本文内容並び替え問題 ※完答
例年通り、問2での並び替え問題の出題となった。
各選択肢の内容該当範囲は以下の通りである。
選択肢ア:第6段落3文目
選択肢イ:第2段落3~4文目
選択肢ウ:第7段落2~3文目
選択肢エ:第1段落2~3文目
よって、答えは【エ→イ→ア→ウ】となる。
完答問題であり、1つでも間違えると点数にはならないため慎重に解く必要があった。練習の段階から戦略を立てて準備していた受験生は、時間との戦いになったとは思うが落ち着いてできたのではないだろうか。

〔問3〕空欄補充の問題 (全3問)
(1)
空欄を含む内容にあたるのは第3段落8~10文目であることから、選択肢アが答えとなる。
本文中を見ても非常に分かりやすく書かれているため、ここは時間を掛けずに進んでほしい問題であった。

(2)
空欄を含む内容にあたるのは第4段落3~7文目であることから、選択肢エが答えとなる。
第4段落の始まりと問題で与えられた文の始まりに共通してある「On Sunday,」に注目することができていれば、答えを探す範囲はすぐに特定できたのではないだろうか。
アの内容も、接続詞andまでは良いように見えるが、その後の内容が異なるため答えとはならない。
イの内容も、第4段落最終文の内容と一致するように見えるが、「for Jack」が「for her」に変わっているため答えとはならない。

(3)
空欄を含む内容にあたるのは第5段落9文目であることから、選択肢イが答えとなる。
前の(2)同様、第5段落の始まりと問題で与えられた文の始まりに共通してある「On Tuesday,」に注目することができていれば、答えを探す範囲はすぐに特定できたのではないだろうか。
誰が誰をパーティーに招待しているかが分かれば、答えはすぐに分かっただろう。

〔問4〕本文内容に関する質問に答える問題 (全2問)
(1)
質問は「What did Yumi feel at the party?」
パーティーでのことについての質問であるため、第6段落に注目するべきである。
最後の1文(第6段落9文目)「She felt that~」のthat節の内容から、選択肢ウが答えとなる。
4つの選択肢それぞれのthat節の中身の正誤を考えてゆく必要があったが、ウ以外のものは本文内容と異なることが明らかであるため、比較的答えは探しやすかったのではないだろうか。

(2)
質問は「Why did Yumi want to learn more about her own country?」
いずれの選択肢も「She wanted to learn more about it」までは同じであるため、その後ろ、不定詞以降の正誤を考えてゆく必要があった。
本文第7段落2文目の接続詞【and】以降が「tell people~」と繋がっていることから、選択肢イが答えとなる。
本文と表記をほとんど変えることなく書かれていたため、(1)同様比較的答えは探しやすかったのではないだろうか。

〈大問4まとめ〉
難易度は大方例年並みであったが、英文・問題共にやや平易したようにも感じられる。
特段、選択肢4つを見比べ悩むようなものはなかったのではないだろうか。英文も、脚注をそれほど確認せずとも読み進めることができるような内容であった。
今回は、ここで点数を満点近く取れた受験生が多くいても全くおかしくないと言えるだろう。


《2024年度総評》
全体を通して、難易度は例年並みとなった。
大問2図表を使った読解での5年ぶり・10年ぶりとなる形式の問題の出題。そして、大問3,4共に、脚注に載せてほしかった単語が載っておらず、逆に注無しでも対応できていたような単語が載せられた。という点が特に印象に残る内容となった。
表記が英語になっただけでやるべきことは国語と同様であることから、知識や対応力が必要とされた問題はあったものの、やはりこちらでも、各々の持つ「読解力」がどれほどであるかを問われる問題が多くあったように思う。


担当 寄田

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