2024都立高校入試分析・解説 理科

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2024都立高校入試分析・解説 理科

2024.02.28 | 受験

2024都立高校入試分析・解説 理科

2024都立高校入試分析・解説 理科
2024年度都立高校入試問題分析
理科

問題・正答表は、東京都教育委員会のHPからご確認頂けます。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/release20240221_09.html

■大問1■
[問1]中2で習う化学変化に関する問題。
難易度は並み。過去にも大問1でこのような形式の問題が出題されており、頻出パターンなので確認しておくこと。
生成前の物質と生成後の物質から化学反応式を自分で作れるようにしておくこと。簡単なものは暗記でも構わない。

[問2]中2で習う電流と回路、そしてエネルギーに関する問題。
難易度は並み。電気回路の基礎である電圧[V]=電流[I]×抵抗[R]の関係式を覚えていること、t秒間における電力量を求める公式の電力量[J]=電圧[V]×電流[I]×時間[t]を覚えていることが重要。

[問3]中1で習う脊椎動物、無脊椎動物に関する問題。
難易度は易。脊椎動物は背骨がある動物、無脊椎動物は背骨がない動物であることは覚えておくこと。
また、魚類、両生類、は虫類、鳥類、哺乳類が脊椎動物になるので併せて覚えておくこと。

[問4]中3で習う原子とイオンに関する問題。
難易度は易。この問題は化学の根幹である原子に関する基礎的な問題であり、これを理解していないとイオンの本質的な理解も難しい。
原子核は陽子を含むためプラスの電気を持ち、電子はマイナスの電気を持つことを覚えておくこと。

[問5]中2の気象に関する問題。
難易度は並み。それぞれの天気における天気記号と風向き、風力の表し方を覚えておくこと。風向きは間違えやすいので要注意である。

[問6]中2の動物の体のつくりとはたらきから出題された血液の問題。
難易度は並み。ヘモグロビンの役割について問われている問題である。ヘモグロビンは赤い色をしており、赤血球の質量の1/3を占めている。
残りの2/3は水分であるため、赤血球は赤い色となっている。そのうえでヘモグロビンは呼吸によって肺に取り込まれた酸素を体中に運搬する役割があり、酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素を離して効率よく酸素を運搬している。このヘモグロビンの役割について理解しておくこと。

≪大問1総評≫
大問1は例年通り各分野から満遍なく基礎的な問題が出題されている。難易度としても高度な要求はなく答えやすいものが多かった。
大問1ではできるだけ失点をしないように各分野の基礎を徹底的に復習しておくこと。

■大問2■
[問1]中1で習う堆積岩と化石に関する問題。
難易度は並み。示相化石はその化石を含む地層が堆積した当時の環境が分かる化石、示準化石はその化石を含む地層が堆積した時代が分かる化石であることをまず知っておくこと。
また、示準化石に該当するそれぞれの化石が古生代、中生代、新生代のいずれに当てはまるかも同時に確認すること。

[問2]中2で習う化学変化の酸化に関する問題である。
難易度はやや難。クジャク石のことは知らなくても問題ないが、問題文から状況を読み取って得られる銅の質量を計算する必要がある。正確に情報を読み取る力を身に着けること。

[問3]中1で習う光の屈折に関する問題。
難易度は並み。入射角と屈折角がどこの角を指しているのかを正確に把握する必要がある。
また、屈折した光がどのような軌道を描くのかを図を参考にしながら考えてみるとよい。

[問4]中3で習う食物連鎖に関する問題。
難易度は易。食物連鎖の基本を理解していることが望ましいが、この問題では食物連鎖についての説明もされているため、問題文をよく読めば容易に答えられる問題だったと思う。

≪大問2総評≫
大問2は例年通り各分野からレポート形式の問題が出題された。
難易度は問題文を読んで素直に解ける問題から知識を問うものや計算を求めるものまで幅広く出題された。
その中でも問2は問題の状況をよく理解し計算を必要とする問題だったため、手を付けづらく感じる受験生もいただろう。
最低でも問4は正解に辿りついてほしいところである。

■大問3■
[問1]中3で習う太陽の南中高度に関する問題である。
難易度は易。南中高度は自分を起点(点O)として地平線と太陽との間の角度を指すので覚えておくこと。
また、南中高度を求めさせることもあるので確認しておくとよい。

[問2]中3で習う地球の自転に関する問題。
難易度は並み。地球上で太陽が動いているように見えるのは地球が自転しているからであり、地球の自転の速度が一定であることから太陽の見かけの速さも一定であることを答える問題。地球の自転について理解していれば記述できる問題であった。

[問3]中3で習う地球の自転に関する問題。
難易度はやや難。①の地球上での太陽の見かけ上の動きは私生活でも太陽を目にしているため簡単に答えられると思うが、②③④は地球を俯瞰的に見る必要があるためやや難しい。北極点の向きを北向きと考えて解き進めると考えやすい。

[問4]中3で習う地球の自転に関する問題。
難易度は難。日の入りの位置に関しては季節が分かればすぐに答えを導き出せるが、夜の長さの比較は非常に考え方が難しい。80点以上を目指す場合は正解したい。

≪大問3総評≫
大問3は地学分野の中から天体の主に太陽や地球の自転について出題された。
太陽と地球の自転についてあらゆる考え方が必要になる大問であったため少しく苦戦する受験生もいただろう。
問3と問4は比較的難しい問題であるため、最初に2問で確実に点数を稼いでいきたい。

■大問4■
[問1]中1で習う顕微鏡に関する問題。
難易度は易。顕微鏡を使用する際にも注意深く指導される内容であるため答えやすい問題であった。

[問2]中2で習う光合成に関する問題。
難易度はやや易。植物は光が当たると光合成と呼吸の両方を行うが、光が当たらないときは呼吸のみ行っているということを理解しておくこと。

[問3]中2で習う植物の葉に関する問題。
難易度は並み。ヨウ素液と反応するのはデンプンであるということを覚えておくこと。

≪大問4総評≫
大問4は生物分野から植物の葉に関する問題が出題された。全体的に易しめの問題構成で基礎知識があれば十分に全問正解できるレベルであった。
顕微鏡の使い方やデンプンがヨウ素液に反応することなど知識を必要とするものもあったため、そのあたりの基礎知識をつけられていたかがカギであった。

■大問5■
[問1]中3で習うイオンの電離に関する問題である。
難易度は易。水溶液中でそれぞれの物質が電離することによりそれぞれの物質がイオン化するため電流が流れるようになるということを理解しておくこと。

[問2]中1で習う溶解度に関する問題。
難易度はやや難。溶解の本質を問われている問題である。38℃の状態で飽和水溶液になっているため、それ以上の温度になっても質量パーセント濃度は上がらないという点がポイントである。

[問3]中1で習う溶解度に関する問題。
難易度は並み。問2と同様に溶解の本質を問われている問題である。資料から塩化ナトリウムの温度変化により溶解度がほとんど変化していないことに注目する。

[問4]中1で習う溶解度に関する問題。
難易度はやや難。塩化ナトリウム水溶液0.35gにどれくらいの量の溶媒(水)が含まれているかを考える。そこで、資料の20℃の際の塩化ナトリウムの溶解度を確認し、質量パーセント濃度を計算することができるかがポイントである。

≪大問5総評≫
大問5は溶解度の問題を中心に問われた大問であった。
溶解度は苦手とする受験生も多く周りと差をつけられる大問でもある。
今回の溶解度の問題は溶解の本質を問う問題が多く、難易度も高かったように思う。
自分が解けると思った問題を着実に解いて点数を稼いでもらいたい。

■大問6■
[問1]中3で習う作用反作用の法則と仕事に関する問題。
難易度は並み。このような力学の問題ではそれぞれの力がどこからかかっているかを全て説明できるようにしておくことが大事。
また、仕事の計算方法は必ず覚えておくこと。

[問2]中3で習う力と運動に関する問題。
難易度はやや易。中3で習う単元ではあるが、速さを基本とした問題であるため、(距離)= (速さ)×(時間)を理解できていれば容易に答えを導き出せる問題である。この問題は正解しておきたい。

[問3]中3で習う力の合成、分解に関する問題。
難易度は並み。重力は物体の向きに関係なく、質量のみで決まるので覚えておくこと。
また、日常生活で斜面の傾斜が大きい方が下に引かれる力が強いことは感じられると思うので、冷静に問題を把握できれば正解できる問題であったと思う。

[問4]中3で習う運動エネルギーと位置エネルギーに関する問題。
難易度はやや難。位置エネルギーは基準点に対しての高さが高いほどエネルギーが大きくなる(位置エネルギーは質量に比例し、高さに比例する)ため、25秒後に<実験1>の(1)と(2)のどちらの力学台車が高い位置にあるかを考える。
運動エネルギーは質量に比例し、速さの2乗に比例するため、この問題では<実験2>の(2)と(4)のどちらの方がBに到達した時の速さが速いかを考える。

≪大問6総評≫
大問6は中3の運動とエネルギーから出題された問題であった。
総合的な難易度としては並み程度であるが、それぞれの問いが基礎を理解できているかを確かめられる良問が揃っている。
その分、理解力で大きく差が生まれる大問にもなったと思うので、基礎の大切さを実感する大問になったと思う。 


分析担当 数学科講師村尾

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