こんにちは。
英才個別学院 西浦和校です。
今回は
埼玉県の公立高校入試において
内申点の影響力がどれぐらい大きいのか?
について私の経験に基づいて
ご紹介していきます。
知っている方もいらっしゃるかもしれませんが
私は、とある大手の集団塾で
長年、指導に携わってきました。
その塾は、その昔
私立高校入試には滅法強く
首都圏には敵なしといった合格実績を誇っていましたが
あるときから
公立高校入試にも力を入れようとし
その対策を取り始めました。
ただ、その当時
なぜか合格率が非常に悪かった思い出があります。
たとえば
世間では偏差値65と言われる公立高校に
中3時で偏差値70付近の生徒を送り込んでも
結構な割合で不合格で帰ってきたものです。
その結果に思い悩み
当時の塾の同僚と
「どういうこと?」
と話し込んだものです。
そして
ある結論に達しました。
「ウチの塾って実力をつけることは負けてないけど
ウチの生徒たち、そもそも内申点が悪過ぎて
その差を入試の得点でひっくり返せていないのではないか?」
と。
そう、内申点の不足分を本番の得点でひっくり返すのって
想像以上に難しいものなのです。
知っている皆様は初歩的な内容ではありますが
埼玉県の公立高校の入試のシステムについて触れてみます。
ある公立高校の選抜基準をもとに考えてみます。
学力検査 500点
調査書の扱い
①学習の記録 通知表の合計点 1年:2年:3年 1:1:2 180点満点
②特別活動の記録 60点満点
③その他の項目 検定取得など 10点満点
このままだと、学力検査500点 調査書の扱い250点 といった比率なのですが
埼玉の公立高校はここから段階選抜を行います。
第一次選抜 定員の60%を選抜
この高校では、調査書の扱いを1.34倍して
学力検査500点 調査書の扱い335点 合計835点 この基準で争います。
第二次選抜 定員の35%を選抜
この高校では、調査書の扱いを今度は0.86倍して
学力検査500点 調査書の扱い215点 合計715点 この基準で争います。
第三次選抜 定員の5%を選抜
第二次選抜の合計得点の一定順位の者を対象に特別活動の得点で選抜する。
要はある程度の得点が取れていて、部活等で関東大会、全国大会出場レベルの実績があり
その部長、副部長、レギュラークラスであるということ
この高校の合格者平均の通知表の合計点が148点
※目安として、3年間オール4として144点とお考え下さい。
たとえば、この高校を志望する生徒で
通知表がオール4に少し満たず、3が2個あって合計34だとすると
そして3年間その数値だとすると
この生徒の通知表の合計点は136点という計算になります。
まず、この段階で合格者平均とは12点の差があります。
そして
第一次選抜では調査書の扱いが1.34倍ですので
12×1.34=16点 の差があるところから始まります。
調査書の扱いの中にその他の項目10点とありますが
対象となるのは英検準2級 漢検・数検は2級以上
つまり、これらも取得していないとなると
26点差があるところが入試の前のスタートラインなのです。
この26点というのは
北辰テストでは5科偏差値3ほどの差になります。
当然、通知表の数値がもっと下回れば下回るほど
本番で取らねばならない得点はもっと拡大していくのですから
「内申点で不足した分は本番でとろう」というのは
無謀な策とお分かり頂けると思います。
また単純に20点、30点多く得点すれば良いのならば
まだ逆転の可能性は考えられますが
埼玉県の公立高校の学力検査の問題は
ある程度の点数帯からは差がつきにくい問題であり
特に高得点決着の高校では
周りの受験生以上に得点を重ねるというのは
まあまあの至難の業とも考えられるため
内申点の不足分の逆転ということが
起こりにくくなっています。
一方で各種検定を追いかけるべきか否かというのも
お子様によって、そして目指す高校によって異なります。
上記の調査書の扱いの中のその他の項目に対する
得点ウエイトが高い高校もあります。
また、どの基準から得点対象となるのかも高校によって異なります。
2級対象の高校もあれば
準2級、3級対象の高校もあります。
今回ご紹介した高校ではその他の項目10点とありますが
英検準2級を取得していれば10点ということではありません。
対象としている英検準2級 漢検・数検2級をすべて満たしていて10点ということです。
とすると、英検準2級を取得していても3点ぐらいの対象で
その英検準2級を取得するための労力を考えるならば
他のことを頑張った方が良いということも考えられます。
これらの基準は高校によってすべて異なります。
色々と忙しい限られた時間の中で
一番優位に進めるためには何を優先すべきか?
そして、そのためにも早めに目標設定ができる方が良いですよね。
今回ご紹介した高校は
北辰テストの基準で考えると合格者平均偏差値が60弱の高校。
通知表の大体の目安についてご紹介すると
偏差値45付近の公立高校 通知表が6オール3ぐらい ⇒合計数値27
偏差値50付近の公立高校 通知表に4が4つぐらいと他はすべて3 ⇒合計数値31
偏差値60付近の公立高校 通知表に5が2つぐらいと他はすべて4 ⇒合計数値38
この数値から不足すれば不足するほど、本番での高い得点力が要求されます。
また、目指す高校が上位に行けば行くほど
そもそも9教科の中に3があってはまずいという認識を持つことです。
3年間の中で1度でもオール3付近の通知表の結果を出してしまうと
志望校の選択の幅はだいぶ狭まると言わざるを得ません。
中3の夏から頑張るというのであれば
思っている以上に頑張らねばならないということであり
内申点とは学年通しての通知表結果なのですから
1学期にとれず2学期で逆転ということであれば
相当な頑張りが必要です。
また、不足している内申点をひっくり返すために
当面は北辰テストでの得点力強化も考えねばなりません。
中1時に躓いてしまった、これから中2を迎える生徒は
今年は絶対に失敗できないといった気持ちを強く持つことです。
今ならまだ間に合います。
1年生の頃とは劇的に変わった生活を送れるように。
これから中1を迎える皆様
これから中学校生活は始まるのですから
皆さんの将来はいくらでも明るくなります。
周りの小学生のままの気持ちの人と
中学生になるのだから
ちょっと将来のことを考えて
目標を決めて頑張っていこうとしてみましょう。
この春。
学年が新学年に切り替わることですし
こんな時こそ、新学年の目標設定をしてみませんか?