【発達理論で子どもと向き合う②】エリクソン②

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【発達理論で子どもと向き合う②】エリクソン②

2024.02.10 | 課外授業

【発達理論で子どもと向き合う②】エリクソン②

【発達理論で子どもと向き合う②】エリクソン②
【子どもと向き合う②】発達理論で考える(エリクソン②)
 

前回はエリクソンの発達理論を紹介しました。
今回は各段階の発達課題を見ていきましょう。
 
第1段階 乳児期 0~2歳
心理・社会的危機=「基本的信頼」対「基本的不信」
保護者など、自分を世話してくれる人との間で、不安にさいなまれることなく自分が愛されているのだと実感を得る時期。重要なのはスキンシップ。
生まれたばかりの赤ちゃんは自分の意思で何かをすることはできず、周囲の助けが必要です。
周りからの愛情を受けて育つことが出来れば、基本的信頼を得ることが出来ます。
これに失敗すると、自分で自分を愛せないことになり後の発達に大きな影響を与えるといわれています。
 
第2段階 幼児期前半 2~4歳
心理・社会的危機=「自律」対「恥・疑惑」
自分の意思でコントロールすることを覚えることで心的な自信が芽生える段階。
食事や排せつなどを自分で行えるよう親がしつけたり適切なチャレンジを与えたりする時期です。
これに失敗すると、(例えば親が何でもやってあげたり、失敗を厳しく咎めたりする)自分に対して確信が持てず、不信を持つようになります。
 
第3段階 幼児期後半 5~7歳
心理・社会的危機=「自発性」対「罪悪感」
自分で考えて自分で行動することを覚える段階。
元気よく遊びまわる子どもたちを想像してください。
好奇心などからいたずらをすることもあります。
大人は行動ではなく、その動機を大事にして接するのが良いといわれています。
これに失敗すると、(例えば親が子どもの行動をうっとうしがったり過度に厳しいしつけを行ったりする)責任や罪の意識を持ち、自発的な行動をためらうようになります。
 
第4段階 学齢期 8~12歳
心理・社会的危機=「勤勉性」対「劣等感」
「やればできる」を体験し、頑張ることを覚える時期。
大人は「頑張ったね」と認めることが大事です。
これに失敗すると、何をやってもダメ、という劣等感を感じるようになります。
 
第5段階 思春期~青年期 13~22歳
心理・社会的危機=「自我同一性(アイデンティティ)獲得」対「自我同一性(アイデンティティ)拡散・混乱」
「私は誰?」「自分がやりたいことは何?」「自分らしさって何?」「自分が将来やりたいことは何なのだろう?」という自問自答を繰り返し、「自分」に気づき、自分がどのような方向に向かうのかという認識を獲得する時期。
第二次性徴(成長)がきっかけとなります。
正確な自己像を発見することで、自分はこうなりたい、という自我同一性(アイデンティティ)を獲得します。
同時に、やりたいことがすべてできるわけではないということに気づく「全能感の否定」も起こります。
ここで獲得されたアイデンティティはその後も随時修正されるため、自我同一性の獲得、そして維持は生涯の課題となります。
なお、この時期は社会的な責任から逃れることが出来る時期のため「モラトリアム(猶予期間)」と呼ばれることもあります。
これに失敗すると、将来に関する展望が開けない等自我同一性の拡散が起きてしまいます。
 
「アイデンティティ」「モラトリアム」など青年期によく言われるキーワードが出てくる段階です。
 
第6段階 成人前期 23~34歳
心理・社会的危機=「親密性」対「孤独」
異性、同性問わず特定の人と親密に付き合うようになる時期。
その時、付き合う者同士、自我同一性を獲得していなければ関係はうまくいきません。
相手を尊重し合うことを覚える時期といえるかもしれません。
相手が自分に合わせてくれないからといって相手の同一性を消し去ろうとしてはいけない、ということに気づき、相手の存在そのものを愛する時期となります。
これに失敗すると、すなわち人と積極的に関わることをためらったり、長期的な人間関係を築くことを怠ったりすると、孤独が起こります。
 
第7段階 成人期 35~60歳
心理・社会的危機=「世代性(生殖性)」対「停滞」
自分の子どもや組織での部下、後輩など他者が育つことを助けることが出来るようになる時期。
これに失敗すると、すなわち共同体に関与せず自分のためだけに力を使うと、停滞を生みます。
 
第8段階 老年期 61歳~
心理・社会的危機=「統合性」対「絶望」
自分の今までの人生を、どんなことがあったとしてもこれでよかった、これしかなかった、と思えるようになる時期。
これに失敗すると、「このままでは死ねない」と死ぬことに恐怖を感じることになります。
 
もちろん細かい年齢は時代によって変わることも考えられます。
現代では老年期が61歳からというのはどう考えても早いですしね。
 
まずは人生全体の傾向を捉えたうえで、学齢期や青年期の子どもとの接し方を考えてみると良いと思いエリクソンの理論をご紹介しました。
次回は青年期のキーワードである「アイデンティティ」「モラトリアム」について考えていきましょう。

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