2025都立高校入試分析・解説 国語

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2025都立高校入試分析・解説 国語

2025.04.15 | 都立高校 入試問題分析・解説

2025都立高校入試分析・解説 国語

2025都立高校入試分析・解説 国語
2025年度都立高校入試問題分析・解説

国語



問題・正答表は、東京都教育委員会のHPからご確認頂けます。

・大問1:漢字(読み) 5問×2点


出題形式・難易度共に例年通り。
主に小5~中学学習レベルの漢字で構成された。
⑵「跳躍」、⑸「喝采」に関しては、正答率に多少開きが出ている可能性はあると考える。

・大問2:漢字(書き) 5問×2点

出題形式は例年通り。
難易度も例年通りではあったが、その中でも止めやはねに気を配るべき漢字が多く出題されたように感じる。
主に小2~小6学習レベルの漢字で構成された。
⑸「旅券」に関しては、「券」の部首【刀】が【力】になっていたり、そうしたつもりはなくとも若干上が飛び出していたり、と減点される要素を持つ漢字であっただけに注意して書くことができたかどうかが重要である。


〈大問1,2まとめ〉
読み書き共に難易度は例年通りとなった。
多くの受験生が20点満点を取ってくることができるとは考えられるが、書きの部分で「丁寧に書く」という点が重要視されたように感じる。
慎重さに欠けると、思わぬところで失点している可能性も高いと言えるだろう。
いずれにせよ、漢字での失点はないのが理想的である。

・大問3:文学的文章  5問×5点

にしがきようこ『アオナギの巣立つ森では』より

出題形式は例年通り。

〔問1〕
傍線部の表現を問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
傍線部前、本文三行目~七行目よりアオナギが全身を現したことが読み取れること、本文「~視線が合った、と思ったその瞬間、ぼくの心はズキュンと射抜かれた。」の部分が、傍線部内「~視線を交わした途端に心揺さぶられた~」と一致していること、「ぼく」の様子をたとえを用いて描かれていること、以上の点から答えを導き出すことができただろう。
他のア、イ、ウの三つは、明らかに違う点が多いため、あまり悩まず正解に辿り着けたのではないだろうか。
選択肢イに関しては、「擬音語を用いて」とあることから、少しエと悩んだ受験生もいたかもしれないが、「ヒナだった頃のアオナギの~」という前半部分が本文には表記がないため、答えとはならないことが分かる。

〔問2〕
傍線部の表現から読み取れる登場人物の様子について問う問題。
答えは、選択肢ウとなった。
本文にあまり分かりやすく直接的には描かれていないため、四つの選択肢の中身と本文内の状況を合わせて見てゆく必要があった。
本文二十五行目「行っちゃった。」という梛のセリフがきっかけとなり、一緒に見守った「ぼく」と気持ちを分かち合っていることから、ウ以外の選択肢の様子を読み取ることは難しいと考える。

〔問3〕
傍線部の表現から読み取れる登場人物の様子について問う問題。
答えは、選択肢アとなった。
本文五十行目辺りから傍線部直前までの流れを総合して確認する必要はあったが、その中でも、傍線部直前の「あおばくんっておもしろいな。」という葛城さんの発言と、四つの選択肢の中身の相違を確認することが答えに辿り着く一番の近道となっただろう。
ア以外の選択肢は、どう考えても「おもしろいな。」という発言には結びつかない内容となっていること、また、この「おもしろいな。」=アの「興味を深めている様子」を表していることが分かれば、多くの受験生が正しい答えを導き出せたのではないかと考える。

〔問4〕
発言の理由を問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
各選択肢、始まりが「梛の言葉から、言葉を受けて、言葉を聞いて」となっていることから、傍線部直前の梛と「ぼく」、それぞれの発言に注目しその後の内容を考えてゆく必要があった。
梛の「また会えるよ。~だからがっかりしないの。」に対して、「ぼく」が「うん。そうだな。」と答え納得している様子と、選択肢イの「アオナギやその子孫にまた会えると自分を納得させ~」が一致することが答えの決め手となっただろう。

〔問5〕
登場人物の気持ちについて問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
今回は、傍線部直後の『「行きます、行きます。だれがなんと言っても、ぜったいに行きます!」即答だった。迷いなどぜんぜんなかった。』が
「ぼく」の気持ちをよく表していることが分かる。
「だれがなんと言っても」や「即答だった。迷いなどぜんぜんなかった。」という表現から、山での生活に対する期待や喜び、感情の高ぶりが感じられることで答えに辿り着けたのではないだろうか。
他のア、イ、ウの三つは、「ぼく」の気持ちが高ぶっている様子が反映されている内容とはなっていないため、答えになるとは考えにくい。

〈大問3まとめ〉
例年通り、表現や登場人物の心情、様子に関する問題が出題された。
いずれも場面の背景を理解し、本文の内容・登場人物たちの様子を正確に読み取ることができていれば、
あまり深く悩むことなく4択の中から答えを導き出すことはできたのではないかと感じる。
また、今回は、本文に直接的な表現がなくとも、四つの選択肢の中で明らかに違うものがかなり明白になっていたため、若干答えに悩んだ受験生も選択肢の文を確認することで、答えとすべき内容を選定できたのではないかとも感じる。
大問1、2の漢字同様、あまり失点してほしくない箇所ではある。


・大問4:説明的文章  4問×5点
            200字作文 10点

中田星矢『文化のバトンを受け継ぐコミュニケーション』(一部改変)より

出題形式は例年通り。

〔問1〕
筆者が述べた内容の理由を問う問題。
答えは、選択肢ウとなった。
第一段落~三段落までの内容を総合して見てゆく必要があったが、中でも特に傍線部を含む第三段落の内容に注目すべきであった。
「人間は賢い生き物である、と言うが、何を根拠に人間は賢いと信じているのか。」(第一段落)
「人間の賢さを主張する例は、道具使用や道具作りなどの技術。人間以外の動物も道具は使うが、コンピューターや宇宙船を作り、大気圏外まで行く動物は人間以外に現れそうにない。」(第二段落)
「パソコンやスマートフォン、AIのような高度な技術が身近なものになってきているが、必ずしもその仕組みを理解して利用しているわけではない。人間の賢さの象徴とされる高度な技術は、時を経て積み重ねられた叡智の結晶であり、個人の能力をはるかに超えたもの。チンパンジーはスマートフォンを作ることはできないが、筆者もスマートフォンを作ることはできない。我々は先人の恩恵を受けているだけ。」(第三段落)
要約するとこのような流れで書かれている。
そこから、今や人間はスマートフォンを所有する時代となっているが、それは現代に生きる我々が自ら生み出したものではなく、これまでの人類の進化と同時に発達した技術により手にできているものである、ということが分かる。高度な技術を要する道具を持っている者が賢い、と言うのは公平な判断ではないため、持っている<道具>ではなく、個々の能力で賢さというものを比較すべきだと考えているのではないだろうか。
ここでは、段落内で使われている<接続語>の役割をいかに考えながら読み進められたか、も一つ重要なポイントとなるだろう。

〔問2〕
傍線部の表現について問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
傍線部内にある「社会的学習」とは、「一人で試行錯誤するのではなく、他者から学習すること」と第五段落中に表記がある。
それを踏まえ、その先の第六段落・七段落には、他者から学習することが技術の発展に繋がってきたということも具体例も交えて書かれている。
これら全ての流れを総合して見てゆくと、自然と答えをエに絞り込めたのではないだろうか。
各選択肢、<どんな能力が何に必要不可欠であるのか>という形で書かれていたため、第四段落の実験結果をよく確認し答えを決めてゆく必要があった。
ここは確実に点数に繋げていてほしい問題である。

〔問3〕
文章構成における段落の役割について問う問題。
答えは、選択肢アとなった。
この問題は、前の問2を解く際に一連の流れが確認できていた受験生はスムーズに答えを導くことができたのではないかと考える。
各選択肢の書き出しを見ると若干似ているものもあるが、選択肢イは「根拠となる事例を付け加え、この後に~」、選択肢ウは「~対して、対照的な意見を付け加え、この後に~」、選択肢エは「筆者の体験を付け加え、この後に~」というように、後半部分が内容には当てはまらないため、答えはアとなることが分かる。

〔問4〕
筆者が述べた内容の理由を問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
該当傍線部前の第九段落後半の内容、中でも「完成品だけを観察した参加者は、目指すべき~。それに対して、作業工程まで観察することができた行動観察条件と行動&完成品観察条件では、前世代の~。」の部分を読むことで、細部までの伝達が行われることが優れた技術進歩を生むということがよく分かるため、答えはイとなる。

〔問5〕
今年度も変わらず200字作文が課題となった。
テーマは「文化を受け継ぎ発展させること」であった。
「文化を受け継ぎ発展させる」ためには何が必要であるか、ということを本文から読み取り、【忠実な伝達を行いながら受け継ぎ発展させたこと、されてきたこと・もの】について書いてゆく必要があった。


書き進める際、以下の3点に気を配る必要があった。( )内は凡その点数配分。

・自分の意見・主張を明らかにする(4点)
・筆者の主張を踏まえる(3点)
・具体的な体験・見聞を含める(3点)


誤字脱字句読点間違え論旨に一貫性がないことなどは、減点対象となるため細心の注意を払うべきである。

過去問演習の段階で、「自分の具体的な体験や見聞」を書く際、与えられたテーマに合う体験がどのようなものか、決めかねる様子を度々目にしてきた。
普段、自分の身に起こる出来事にもう少し関心を持って過ごすことが必要であると感じる場面が多くあった。

〈大問4まとめ〉
筆者の考えや本文の軸となっているものが非常に明瞭であり、重要なことは繰り返し書かれていたため、答えを探す作業はさほど難しくなかったように感じる。
問1,2,3、4のいずれも、どの受験生にも正解してきてほしい難易度の問題であった。
200字作文は、テーマの捉え方を間違えていたり、入れ込む体験・見聞の選択を誤っていたり、という受験生が少なからずいるのではないかと考えるため、多少点数に開きが出てくるのではないかと個人的には感じている。



・大問5:古典を引用した読解 5問×5点

【A】 河合隼雄、池田利夫『松浦宮物語と藤原定家』より
【B】 前田雅之『なぜ古典を勉強するのか』より

出題形式はほぼ例年通り。
本文は【A】【B】の2部構成となった。

〔問1〕
「ない」の意味・用法を問う問題
答えは、選択肢エとなった。
ここ数年頻出されている国文法に関する知識問題が今年も出題された。
この先もしばらくは出題されてゆくと考えた方がよいかもしれない。
助動詞「ない」と形容詞「ない」を見分ける力が必要とされた。四つを見比べれば一目瞭然というほど使われ方が異なっているため、ここは瞬時に答えを出せるのが理想的である。
「ない」の部分を「ぬ」に書き換えることができるか、まで考えて答えを導けた受験生は間違いなく正解しているだろう。
仮に文法知識がなくとも、「ない」の直前につく言葉の違いに気が付くことができれば正解に辿り着けたのではないだろうか。

〔問2〕
対談内における話者の発言の役割を問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
傍線部⑴とされている発言の一つ前の河合さん「紫式部はもちろんそれを~通用する歌もつくっているわけですね。」に対し、池田さんが「そういうことです。」と返していることから、『源氏物語』の歌の作り方について共通理解を得られたことが分かる。それを経て、傍線部⑴「『古今集』を編集するときは~」と話しだしていることから、話題を『古今集』へ転換しようとしていることが分かる。以上二つのことを整理できれば、答えに辿り着くことができたのではないだろうか。
選択肢ウにも「共通理解を得たことで」という文言があることから、若干答えに悩んだ可能性もあるが、その共通理解は<『源氏』『古今集』の重要性について>ではないこと、後半の内容も一致しないことが分かれば、イを正しく選択できただろう。

〔問3〕
傍線部内の言葉の説明として適切なものを問う問題。
【A】の文の池田さんの二番目の発言の中に「『松浦宮物語』を書くことによって定家は万葉風の古い時代の物語をイメージしたのではないか、~」とあることと、該当傍線部直前の「前半の歌はかなり万葉風につくろうとしていますからね。」とあることから、定家自身の作風とは異なる『万葉集』の時代をイメージして歌を詠んだということが分かるため、答えはアとなる。
アの内容を確認した時点で、これが答えになるのではと考えた受験生は多かったのではないだろうか。


〔問4〕
【B】の原文において、本文中の表現に相当する部分を問う問題。
答えは、選択肢ウとなった。
ここでは、【B】の原文と後ろにつく現代語訳、それから傍線部を含む文の三つを合わせて確認する必要があった。
この類の問題は、傍線部に相当する言葉のみに注目し答えを探すことはなかなか難しいため、前後にある言葉・表現から答えに辿り着いてゆくべきであると考える。
傍線部「非難するのは」と現代語訳中の「非難したのは」が共通表記であること、どちらも直前に【「「右方」の人が(「右の歌の作者が」)「草の原」を】と同じ内容が入っていること、これらを頼りに原文を確認することで答えに辿り着くことができたのではないだろうか。
選択肢アも、同じように直前が「右方申云、「草の原」」と似たような表現にはなっているため、悩んだ受験生がいた可能性もあるが、かなり冒頭部分であり、現代語訳との位置関係も異なることから正確に答えを導いてほしいところではある。
原文のみでなく、現代語訳を上手く活用することで素早く且つ正確な答えを導き出すことができたのではないだろうか。

〔問5〕
本文内容の説明としてふさわしいものを問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
本文【A】【B】両者を合わせて見て答えを決めてゆく必要があった。
まず【A】では、池田さんの一番目の発言最後の一文に「歌を詠む前後の人びとの心の動きとか状況を勉強するには『源氏物語』は格好の教材なんです。」とあること、
【B】では、本文終盤に「紫式部は歌人以上に物語を書く能力が優れている。加えて、『源氏物語』「花宴」の巻はとくに優美なものである。」とあること、以上の二点を合わせて見ることで答えはイとなる。
【A】の方が確認できれば、答えは比較的選びやすかったのではないかと考える。


〈大問5まとめ〉
昨年度同様、【A】【B】の文、それから各問の難易度があまり高くなかったように感じる。本文と問題文を順当に正確に読み解いていれば、どの問題にも対応できただろう。
あまり失点がないのが望ましい。
大問5で失点が多くなる受験生を例年よく見るが、今年度の問題はあまり苦労せず解ききることができたのではないかと感じる。


《2025年度総評》
全体を通して、難易度は昨年、一昨年度同様レベルとなった。
本文、問題文に関わらず、「与えられた文」を正しく読み取ることできれば、それほど苦労する問題はなかったように思う。
また、今年度はこれまで以上に【選択肢の文を丁寧に読み確認する】作業ができたかどうかが重要であったように感じる。
それが正確にできた受験生は非常に高い得点を獲得している可能性があると言えるだろう。
いずれにせよ、例年通り、各々の持つ「読解力」がどれほどであるか、を問われる問題ばかりであったように感じる。


担当  寄田


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