2026都立高校入試分析・解説 国語

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2026都立高校入試分析・解説 国語

2026.03.12 | 都立高校 入試問題分析・解説

2026都立高校入試分析・解説 国語

2026都立高校入試分析・解説 国語
2026年度都立高校入試問題分析・解説

国語



問題・正答表は、東京都教育委員会のHPからご確認頂けます。

・大問1:漢字(読み) 5問×2点


出題形式・難易度共に例年通り。
主に小5~中学学習レベルの漢字で構成された。
⑵「均衡」、⑶「遵守」に関しては、正答率に多少開きが出ている可能性はあると考える。

・大問2:漢字(書き) 5問×2点

出題形式は例年通り。
難易度も例年通りではあったが、その中でも止めやはねに気を配るべき漢字が多く出題されたように感じる。
主に小4~小6学習レベルの漢字で構成された。
⑵「借りた」に関して、「貸す」と間違えが起きている可能性は大いにあると考えられる。
⑶「栄えた」も、「盛」と書き違えている受験生が多少なりともいるのではないかと考えている。


〈大問1,2まとめ〉
読み書き共に、難易度は近年と比べるとやや難化したようにも感じられる。
とはいえ、どの漢字も難度としては高くないため、全問正しく読み書きできていてほしいものではある。
近年、漢字力は低下の一途をたどっているのが現状であると考える。タブレット学習が進む中でも、日頃から、漢字の読み書きという作業を怠ってはならない。
いずれにせよ、漢字での失点はないのが理想的である。

・大問3:文学的文章  5問×5点

小川洋子『長すぎた幕間』より

出題形式は例年通り。

〔問1〕
傍線部の表現から読み取れる登場人物の様子について問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
まず、傍線部前の第4段落で主人公「僕」がどこを写生すればよいか悩んでいる様子なのに対し、父が「おっ、あそこに大きな亀がいるじゃないか。」と声をかけている。それに対して「僕」は、「あっ、ほんとだ。」と返事をしていることから、亀を描くということへの嫌悪感はあまり感じられない。
そして、その後の第5段落で「僕は絵の具と画板と画用紙を用意し、新品の筆の包装紙を破った。」という様子に対して、直後に「ほら、ぐずぐずしてると、池に潜っちゃうぞ。」という父のセリフがあることから、準備をする「僕」にもどかしさを感じた父に促され、姿が見える間に慌てて亀から描き始めた、という内容になっているエが答えをして適切だろう。
他の、アに関しては、「早く帰るために「僕」に速やかに絵を完成させてほしいという父の意をくんで、~」とあるが、父は写生に対して前向きな気持ちを持っていることが第5段落からわかるため、選択肢からすぐに消すことができるだろう。イ・ウに関しては、亀を描く、ということに対して消極的な気持ちを「僕」が持っているような様子で書かれているが、そのような様子は本文からはうかがえないので、答えとしては不適切になる。

〔問2〕
傍線部の表現について問う問題。
答えは、選択肢アとなった。
まず考えるべきは、「チリッ、チリッ、チリッ。」が何の音を表現しているかということである。
第10段落に、「チリッ、チリッ、チリッ、という鳴き声が聞こえた。」とあり、その直後に「カワセミだ。」という父のセリフがあることから、これはカワセミの鳴き声を表していることがわかる。この時点で、選択肢イとエは答えとして不適切であるということがわかるだろう。(この音を、水滴が弾ける音、としているため)
アとウの2択になるが、該当傍線部の直後に「また水滴が弾けた。」とあることから、この音を今度は水滴が弾ける音に例えていることがわかるため、答えはアに決まるだろう。
この問題は、問1・3・4・5と比べると、少し考えづらいものであったと考えられる。

〔問3〕
傍線部の表現から読み取れる登場人物の様子について問う問題。
答えは、選択肢ウとなった。
傍線部直後の父のセリフを確認することで、間違いなく回答できる問題であったと考えられる。
他のア・イ・エに関しては、本文中の父の様子と見合う様子のものがないため、答えにすることは難しい。


〔問4〕
登場人物の気持ちについて問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
傍線部前の第19段落に「僕は父を喜ばせたかった。」「カワセミが運んできた幸運の青色を、二人で分け合いたかった。」とあることから、すぐに答えを決めることができただろう。
他のア・ウ・エに関しては、問3同様、本文内容を踏まえて考えてゆくと、答えにすることはどれも難しい。

〔問5〕
登場人物の気持ちについて問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
傍線部直後の父のセリフから、答えはエになると即座に判断できただろう。
この問題も、問3・問4同様、他の選択肢はこの父のセリフを踏まえると答えに選ぶことは難しい。

〈大問3まとめ〉
例年通り、表現や登場人物の心情、様子に関する問題が出題された。
いずれも場面の背景を理解し、本文の内容・登場人物たちの様子を正確に読み取ることができていれば、
あまり深く悩むことなく4択の中から答えを導き出すことはできたのではないかと感じる。
また、昨年同様、本文に直接的な表現がなくとも、四つの選択肢の中で明らかに違うものがかなり明白になっていたため、若干答えに悩んだ受験生も選択肢の文を確認することで、答えとすべき内容を選定できたのではないかとも感じる。
問1~5まで、どれも時間をかけることなく解ける問題であったと考える。
大問1、2の漢字同様、失点は少なくあってほしい箇所ではある。


・大問4:説明的文章  4問×5点
            200字作文 10点

納富信留『対話の技法』(一部改変)より

出題形式は例年通り。

〔問1〕
筆者が述べた内容の理由を問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
まず、傍線部の内容が「~、一つの立派な対話の結果だったはずです。」なっていることに注目すべきである。
「だったはず」ということは、その予定であったが実際は違っていた、ということになると考えられるため、次の段落内容をよく確認してゆく必要がある。
その視点を持ったまま第9段落を読み進めてゆくと、同段落内6行目「結局対話とは何かと言うと、」~8・9行目「そのあたりが期待される結果なのではないでしょうか。」とあることから、答えはイになると判断できるはずだ。
他のア・ウ・エに関しては、内容が明らかに本文内容とは異なるため箇所があるため、答えに選ぶことは難しい。

〔問2〕
筆者が述べた内容の理由を問う問題。
答えは、選択肢ウとなった。
傍線部を含む、第10段落に注目して答えを探してゆくべき問題であった。
まず、同段落内1・2行目内に「二人はある共通のものを目指しているはずです。」とある。その後を読んでゆくと、4行目で、それが「真理」を示していることがわかる。
それを踏まえた上で、5行目「しかし、真理とは」~7行目「いわば場の成立根拠です。」までの内容を見てゆくと、答えはウになると判断できるはずだ。
他のア・イ・エに関しては、アのみ若干迷う選択肢となった可能性もあるが、「対話を続けることでたどり着く二人の思いが一つに重なる地点」というような表記は本文中にないため、答えに選ぶことは難しい。多くの受験生が、間違いなくウを選択できていることが望ましい。

〔問3〕
文章構成における段落の役割について問う問題。
答えは、選択肢アとなった。
段落の役割についての問題は、例年頻出されるためしっかりと対策しておく必要がある。
選択肢ア、イ、ウ、エいずれも、最初の読点までは同一の内容となっているので、それ以降の正誤を確認してゆく必要があった。
前の第12段落最後の一文に、「分からないという事態を明瞭にしてくれることが対話の本質であるのに、それを自覚しないで傲慢にもそれを利用しようとしたら、それこそ対話とは正反対の精神になってしまいます。」とある。それを受け、第13段落は「ソクラテスがいつも対話を始める際に語ったように、」と始まることから、具体例を用いていることがわかる。この時点で、まず選択肢アとイの2択に絞り込むことができる。そして、イの内容を見ると「それまでとは対照的な具体例を示す」となっているが、第13段落で挙げられた具体例はそれまでと対照的なものではないため、アに決めることが可能である。


〔問4〕
筆者が述べた内容の理由を問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
第14段落から第15段落の傍線部直前までの内容を合わせて見てゆく必要があった。
特に、第14段落6行目「通常私たちは、なんらか知っている。」~10行目「知っているというのは誤りです。」の内容を踏まえて考えてゆくと、答えは明確であっただろう。「知っているというのは誤り」つまり、「知らない」ということになると考えられる。
答えとなる選択肢エ以外のものは、本文該当範囲の内容と中身が異なることは一目瞭然なので、各選択肢の文を一巡した時点で答えが決められていることが望ましい。


〔問5〕
今年度も変わらず200字作文が課題となった。
テーマは「対話による創造」であった。
これについて筆者は、本文第18段落で考えを述べています。前の第17段落の最後が「では、創り出すとは何でしょう。」と問いの形になっているため、筆者の主張が述べられている箇所は見つけやすかったのではないかと思う。
日々の生活の中で、対話を通じて何かを創造する、という経験は多くあるはずだ。
学校生活のことや他者との対話によって行動した経験などを用いると、比較的書きやすいテーマであったと考えられる。


書き進める際、以下の3点に気を配る必要があった。( )内は凡その点数配分。

・自分の意見・主張を明らかにする(4点)
・筆者の主張を踏まえる(3点)
・具体的な体験・見聞を含める(3点)


誤字脱字句読点間違え論旨に一貫性がないことなどは、減点対象となるため細心の注意を払うべきである。

過去問演習の段階で、「自分の具体的な体験や見聞」を書く際、与えられたテーマに合う体験がどのようなものか、決めかねる様子を度々目にしてきた。
普段、自分の身に起こる出来事にもう少し関心を持って過ごすことが必要であると感じる場面が多くあった。

〈大問4まとめ〉
文章のテーマという点で考えると、中学生にとっては少々堅苦しい部分もあったかもしれないが、筆者の主張、軸となる内容は非常に分かりやすく書かれていたのではないだろうか。
何より、各大問の選択肢の文の内容が、答えになるものとそうでないものでかなり明瞭に差が見られたため、選択肢の文に助けられて答えを決めることができた受験生も少なからずいたのではないかと考えられる。
問1,2,3、4のいずれも、どの受験生にも正解してきてほしい難易度の問題であった。
200字作文に関しては、これまでの生活・経験から具体例を探し出すことは容易であったと考えられるため、時間との戦いにはなったと予想されるが、多くの受験生に書けていてほしいものであった。


・大問5:古典を引用した読解 5問×5点

【A】 東儀俊美、河竹登志夫『日本の古典芸能』より
【B】 山崎正和『リズムの哲学ノート』より
【C】『新編日本古典文学全集』より

出題形式はほぼ例年通り。
本文は【A】【B】【C】の3部構成となった。

〔問1〕
対談内における話者の発言の役割を問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
文章冒頭の、対談者2名のそれぞれの発言
「今現在伝承されている序・破・急が揃っている曲は一曲しかないのですけれど、~。」という言葉をきっかけに、
「揃っているのは何という曲ですか。」という問いが生まれ、その次で、この質問に対する説明が行われている。
該当傍線部の発言に至るまでのこの流れが掴めていれば、間違いなく答えに辿り着けただろう。
話者の発言の役割を問う問題は、例年出題される傾向にある。
前後の内容をよく確認して、関連性を見抜いてゆく力が必要とされる。

〔問2〕
「と」の意味・用法を問う問題
答えは、選択肢アとなった。
格助詞「と」の、並列と引用の使い方を区別して見てゆく必要があった。
その知識が無くとも、前後につく言葉や文の流れを見ることで正答できる問題であったと考えるため、ここの正答率は高いことが望ましい。
近年、この助詞の意味・用法を問う問題は、大問5の定番となってきたと言えるだろう。
難易度としては、例年同様程度であった。

〔問3〕
傍線部内の言葉の説明として適切なものを問う問題。
答えは、選択肢エとなった。
A及びBそれぞれで述べられている内容を確認していかなくてはならなかったので、解き終えるのに多少時間を要したのではないかと考えられる。
まずAの文では、河竹さん6番目の発言に「序・破・急は日本の芸能には非常に基本的な考え方だと思うんですね。」とある。
この時点で、選択肢エの内容と前半部分が一致することがわかる。他の選択肢を見ると、本文に表記のない内容のものが並んでいるため、このAの文の段階で答えを決めた受験生もいたかもしれない。
次にBの文では、第3段落の内容に注目してゆく必要があった。
時間的な逆転、つまり「序・破・急」があってこそ、藝術作品は一つの作品と呼べる、ということが読み取れるため、選択肢エの後半部分と内容が一致することがわかる。
後半部分だけを見ると、選択肢ウも視野に入れてしまいそうな気もするが、前半部分Aの文の内容も合わせて考えてゆくべき問題であるため、どちらともが本文内容と一致することを考えると、選択肢エを答えに決めるべきである。

〔問4〕
【C】の原文において、本文中の表現に相当する部分を問う問題。
答えは、選択肢ウとなった。
ここでは、【C】の原文と後ろにつく現代語訳、それから傍線部を含む文の三つを合わせて確認する必要があった。
この類の問題は、傍線部に相当する言葉のみに注目し答えを探すことはなかなか難しいため、前後にある言葉・表現・句読点の位置から答えに辿り着いてゆくべきであると考える。
傍線部「はたらき」と現代語訳中の「所作」では、少々表記が異なるため、多少解くのに時間を要した受験生もいただろう。
傍線部前を見てゆくと、原文では「はたらき」の前部分に「しとやかなるが、さのみに細かになく、音曲・」とある。現代語訳を見てみると、「上品な曲趣で、演技内容もさほど手のこんでいない曲を選び、謡も」となっている。【しとやか=上品】【さのみに細かになく=さほど手のこんでいない】の関連性が見えていれば、そこから逆算して探すことができただろう。
また、後ろを見ると、「大かたの風体にて、するすると安くすべし。」とある。現代語訳を見てみると、「普通程度の情趣に、すらすらと安らかに演じるがよい。」となっている。【するすると安くすべし=すらすらと安らかに演じるがよい。】の関連性を見て、答えを決めるのも一つの手である。
いずれにせよ、原文のみでなく、現代語訳を上手く活用することで素早く且つ正確な答えを導き出すことができたのではないだろうか。

〔問5〕
現代仮名遣いについて問う問題。
答えは、選択肢イとなった。
歴史的仮名遣いの「は行」は、「わ行」で読むことから、イの「かなふ」は現代仮名遣いで書く場合「かなう」となる。
これはサービス問題であったと言えるのではないだろうか。
大問2同様、正答率は高いことが望ましい。
イ以外の選択肢を答えにしてしまった受験生は、中学で学ぶ基本的な古文知識を再度見直してから高校生になってほしいと思う。


〈大問5まとめ〉
昨年度同様、【A】【B】の文、それから各問の難易度があまり高くなかったように感じる。本文と問題文を順当に正確に読み解いていれば、どの問題にも対応できただろう。
あまり失点がないのが望ましい。
大問5で失点が多くなる受験生を例年よく見るが、今年度の問題はあまり苦労せず解ききることができたのではないかと感じる。
特に今年度は、本文内容の理解度に関わらず解くことができる問題が5問のうち3問もあった。
大問5の正答率が、過去問題演習より高くなった受験生も多くいたのではないかと考えられる。


《2026年度総評》
全体を通して、難易度は昨年、一昨年度同様レベルとなった。
分析者個人の考えだが、今年度は例年までと比べ、大問5の正答率が高くなることが予想される。よって、全体の平均点も多少なりとも上がってゆくのではないだろうか。
この考えには、難なく解ききってほしい問題内容・難易度であったため、多くの受験生に高得点を取っていてほしいという願いも込められている。
例年通り、本文・問題文・選択肢の各文の全てにおいて「与えられた文」を正しく読み取ることができたかどうか、が最重要事項となっただろう。
また、今年度はこれまで以上に【選択肢の文を丁寧に読み確認する】作業ができたかどうかが点数を左右する大きな要因となったように感じる。
それが正確にできた受験生は非常に高い得点を獲得している可能性があると言えるだろう。
いずれにせよ、例年通り、各々の持つ「読解力」がどれほどであるか、を問われる問題ばかりであったように感じる。


担当  寄田


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