永福校ブログEIFUKU BLOG
2023.10.28 | 課外授業
文化史でふり返る日本史 鎌倉時代①
文化史でふり返る日本史 鎌倉時代①
鎌倉時代といえば武士の時代、ということでそれにふさわしい力強い文化が花開きます。
東大寺南大門の金剛力士像は、運慶・快慶らがつくりました。
またこの頃から仏教が庶民に広まりました。
それまでの仏教は難しいお教を理解したりお寺を建てたりと、教養とお金がある一部の人にしか伝わっていませんでした。
ところが疫病や飢饉が流行り、生活が不安定になると同時に、武士の台頭で世の中が乱れ始めました。
お釈迦様の教えが正しく広まらず、悪が繁栄する「末法」の時代が来る、いわば終末論が広まります。
生きている現実社会ではいいことがないので、せめて死んだあとは極楽浄土に生まれ変わりたい、そんな「浄土思想」が広まっていきます。
阿弥陀佛様という仏様が臨終の際に迎えに来て極楽浄土に連れて行ってくれるということです。
そのためには阿弥陀様の姿を想像し、念仏を唱えましょう、という教えでした。
そこで、お金持ちの貴族たちは立派なお寺を作り、阿弥陀佛様の像を祀ります。
京都の平等院鳳凰堂はその代表的な建築物です。
摂関政治の絶頂を極めた藤原道長の息子、頼通により建立されました。
しかし、疫病や飢饉に苦しみ、武士の戦争によって田畑や家を奪われる貧しい庶民こそが、本当に救いを求めていた階層かもしれません。
ところが庶民は毎日働くのに忙しく、難しい経典を勉強することはできません。
お金がないのでお寺を作ることもできません。
ではこういった人たちは救われないのか・・・?
この矛盾に立ち上がったのが、いわゆる「鎌倉新仏教」と言われる宗派の開祖たちです。
いわば日本版宗教改革でしょう。
次回はここに触れていきましょう。
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